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2007年7月10日 (火)

利根川博士のセミナー(その1)

今日、大阪バイオサイエンス研究所(OBI)で開かれた利根川進博士のセミナーに出席してきました。「記憶のメカニズム」についての講演で私の専門外のもので、しかも英語でしたが、”記憶というものは自分と世界を結ぶものであり、自己アイデンティティの確立に必要である”という記憶を研究することの重要性から始まり、記憶の種類を説明され、その後で最先端のテクニックを使用した分子生物学的手法を駆使した記憶研究を分かりやすく説明してくださいました。

記憶は海馬におけるグルタミン酸受容体(これは、OBIの所長であられる中西重忠先生がその多くを発見されています)の働きが重要ですが、海馬のある部分のみでグルタミン酸受容体の働きを欠如させたり、記憶回路の解析のために海馬の一部における神経伝達を阻害したりして、記憶のメカニズムに迫るというエキサイティングな内容でした。

質疑応答の時間には中西先生が「若い人、英語でも日本語でもいいから質問しなさい」と言って下さいましたので、思い切って、博士に英語で質問しました。すると、「やはりそこに気がついたか」みたいな笑みを浮かべ、私に近寄って来て熱く語って下さいました。

利根川博士はご存知の通り、1987年ノーベル賞の受賞者ですが、当時、アメリカの高校で担任から知らされたときはとても驚き、憧れていたことを思い出し、今日お話が出来たことを大変光栄に思いました。(ちなみに、OBIはこれまで私の知る限り3名のノーベル賞受賞者を招待しており、以前はアーロン・チカノバー博士の時も質問をさせていただきました。あとで、私の下手な英語での質問がウェブ配信されていて恥ずかしい思いをしましたが・・・。)こんな偉大な業績をもった方と同じ真理に向かい合い、同じ場所で議論できることは研究者の特権です。偉大な研究者ほど、若いときのインスピレーションを大切にし、若い人とのディスカッションを楽しんでいるような気がします。また、若い研究者はそのような先輩に鼓舞され、先人に学びながら新しいことにチャレンジします。世代を超えた良い関係が保たれているのもサイエンスの世界です。私も含めて、今日、講演を聴きに来た若い研究者たちが感激していた様子は大きな鳴り止まない拍手が物語っていました。(アンコールがあるのかと思ってしまいました。)

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