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2007年7月30日 (月)

ますます軽症化する深夜小児救急-1

大学病院からの派遣バイトで私は月1〜2回、地域の一次救急を一手に担う急病センターに出務しています。
ここへは、大学病院の勤務医師、開業医が出務し、近隣の二次救急が入院を受け入れてくれるシステムになっており、近い+便利+安心の3点がそろった急病センターになっています。私も小児科医とはいえ、子をもつ親として、有り難く思っています。経営は赤字だそうですが、予想していたよりも少ない赤字らしいですし、若い家族が安心して住めるということから、税収という意味でもこのあたりの自治体の行政に少なからず貢献しているのではと思ったりします。

さて、小児救急のコンビニ化が言われて久しいですが、このセンターも例外でなく、とくに最近になって深夜に発熱でやって来る患者さんで走り回ったり、笑顔で診察を受ける子ども達が多く目立ってきました。お子さんの病状が心配だから深夜に連れてくるというよりは、ぐずぐず言って(親が)眠れないから連れて来たという受診が増えて来ています。また台風の時はともかく、オリンピックやワールドカップサッカーなどのテレビ中継の時間帯に、10分の1程度までに受診患者数が落ち込むようなこともあります。おそらく、本当に受診の必要が無い児がテレビという”ふるい”にかけられていることと、本当は受診したいけど、お父さんがテレビに釘付けで、しんどい子ども達が待たされていることがあるようです。(そのような子ども達は中継が終わるとすぐ連れて来られます。)
このような光景を見ると、地域の子ども達と不安な父母のためにと思って勤務している自分の気持ちを踏みにじられたと思うことがあります。本当は、親の不勉強、怠慢、エゴ(たとえば、「明日から旅行やから今晩中に治せ!」など)のために「小児救急をしっかりやってもらわないと困る!」と言っているのに『子を思う親の気持ち』という美しいベールで包まれると純粋な小児科医は「なんとかしないと!」と思ってしまうのです。それでも、私は小児科医として、たとえ嘘でも『美しい親の愛情』を信じたいと思うのです。騙すなら最後まで騙してほしいのです。だから、私は言いたい。「当センターには、待ち合い室にもテレビはあります。子どもがしんどそうならば、ここまで来てスポーツ中継を見て下さい。(大声で応援は出きないでしょうけど・・・。)」

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