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2007年7月 1日 (日)

頭が痛いときの頭の痛まない話(その2)

ところで、まだ頭痛の少し残る私にDr.Hが「3年も留学して、そのあとどうするの?」としきりに心配してくれました。
私の答えは「それはわからん。」でした。
私にとっては、3年後は3年後。帰国して大学がどのような体制にあるかも分からないし、自分自身も何を考えているかわからない。今は帰国したら新生児の研究をする大学院生の指導に当たりたいと思っているけれど・・・。

留学するときに医局に帰ってくる場所がないかもしれない、という心配は、当然といえばそうでしょう。しかし、こういった心配は実は、私の頭を悩ましていません。

医局崩壊が言われはじめて久しいと思いますが、今言われている崩壊というのは、地域医療統括部門としての崩壊ではないでしょうか? しかし、聞こえは悪いですが、”医師を医局に縛るもの”は主に3つあると思います。

①地域(自分がその医局の関連病院のある地域で勤務したいか)
②臨床(その大学病院および関連病院で他では経験できないような専門性の高い医療を行っている)
③研究(自分がしたい研究がその臨床教室で行われている)

有能な医師がなぜ、大学病院を敬遠するのか?・・・だから、私が大学病院に勤務できているのですが(笑)

「さおだけ屋はなぜつぶれないのか」で有名な山田真哉氏は、ほぼ日のインタビューの中で、

”売れるものをつくる方法は
低価格か、差別化か、のふたつです。”

と述べています。結局、医局として有能な医師、医学者を引きつけるには①は地域性はどうにもならないし、最近の傾向からは大学の役割が小さくなりつつあるので、②と③でどのようなビジョンをもって、ハイレベルの仕事をしていくかということしかないでしょう。上記で言う「差別化」です。
②臨床ならば、ただ重症例や稀な疾患の診断や治療にあたれば良いというのではなく、それをどのように診療していくか、それを発信できるかということになると思います。新鮮な鮎でも水煮にしてしまえば食することはできても塩焼きのような美味しさが無いのと一緒で、ただ診ていればよいではいけないのです。
③研究に縛られている医師が医局を離れて行くケースがあるのは、臨床教室が興味の湧く研究をしていないからです。これは、研究で差別化を図れば、外からもどんどん人を呼び込める可能性があるというポジティブな面と、一つの医局でフォーカスできる仕事は限られるので、去る人が出る可能性があるというネガティブな面があります。しかし、社会の中での使命を考えると、何をするかはリーダーの自由ですが、何か差別化を図ってクオリティを追求するべきです。

逆に言うと、医師の中には大学病院の臨床や研究に「縛られる」ような使命感をもった人がいてほしいですし、大学の臨床教室は歩むべく方向を定めて、早く、「とにかく戻って来て〜」という時期から、お互いのニーズにマッチしたメンバー選びができるように差別化を図らないと時間も資金も、能力も、そして医師としての人生も!もったいないです。私が「3年後はわからん」と言っているのは、そのような期待の現れであり、臨床教室が差別化を図る為に私を必要としてくれるか、教室が差別化を図ったために私が不要になるのかのどちらかであってほしいと思うからです。

未だにスピッツを聞き続ける「夢見る少年」の私の関心は、”自分が幼い命に対する情熱を失わないでやっていけるかどうか、そして、その情熱を注ぎ込める場所を見つけられるかどうか”ということなので、広い世界、どこかにあるだろうと思うのです。しかし、「夢は大きく、仕事は小さなことから忠実に」。一晩寝て体力が回復したので、再びグラント書き、論文に戻ります。




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