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2007年10月17日 (水)

縦割り保育なラボラトリー

優秀なドイツ人の院生のchrisより私が唯一優っている点、それは実験で悩んだことがどれくらいあるか?ということです。

昨晩、私が夜な夜な回収したサンプルの結果が予想とは逆のものになっており、「なぜ、こうなるのか?」という説明をしきりに求めてきました。
私の本当の答えは、「だって、はじめてで、しかも1回だけの実験なんだから、この結果が本当かどうか、わからないよ。」というものですが、ちょっと納得できないようす。
「もし、本当だったとしようか。この薬剤が作用するレセプターは3つあるのだから、細胞にこんな刺激を与えた時に、それらがどのように発現が変わるのかで、どれに優位に働くかが違ってくるでしょ?なので、もう1回やってみるのと同時に、今度はレセプターの発現を解析しよう。」
ここまで言うとようやく納得してくれます。でも、あたりまえのことを言っているような顔をしながら裏では『そういえば、そうやな・・・この実験より前にこうするべきだったかな。』とか反省したりするのでした。

隣のポスドクのjuryと私が話しているところへ、もう1回chrisがやってきて、「どう思います?ボスにどう言いましょう?」とやはり気にしています。juryと私が、”あーも考えられるし、こーも考えられるよね。”などひとしきり話し終えて、chrisが去ったあとで、juryが一言、「はじめての実験だし、3回くらい繰り返してみて、そうだったら考えたらいいんじゃない?」と私と同じことを言っていました。とにかく早く結論を出そうとする若い院生と、実験での苦労を知っているからこそ、一回の実験の結果を信用せず、一見、サイエンティフィックな議論を避けているように見える二人のポスドク。

院生のchrisに必要なことは、とにかく実験の経験を積むこと。指導するポスドクの私の責任は、手順に手違いがなかったかどうかを確認して、実験がうまく行くように手助けをし、とにかくデータを出す喜びを教えてあげることです。ポスドクの私達も未熟な点も多いのですが、お互いの立場を理解しながら、協力してやっていきたいと思います。

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