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2008年6月21日 (土)

研究で同じプロジェクトをシェアすると、

効果的に仕事ができるのはもちろんですが、論文を書く時になると、誰が筆頭著者になるのかという葛藤が生じます。私がボスから「これはhide-tanが論文にすればいい」と言われていたテーマがこのプロジェクトを手伝ってくれていた他のラボメンバーの方が多くのデータに貢献したという結論になり、その人が筆頭著者になることになってしまいました。

これはデリケートな問題ですが、研究や研究留学を考えている人がブログを読んで下さっているかもしれないのでちょっと恥を偲んで書きます。

で、そのプロジェクトは私ともう一人のラボメンバーがパートを分け合ってしていたのですが、私がイニシアチブをとるパートは時間がかかる割に結果が出にくかったのでこのような結果になったわけです。とはいえ、その人のパートも、かなりの時間を私が割いたり、サンプル等も他の実験を犠牲にしてまでその人に提供したりしていました。

それは何より、自分が筆頭著者であるというボスの言葉を信じていた為でした。

ところが、何やら途中から、私のサンプルで行った実験結果を私に渡そうとしなくなったり、その人の行動が少し怪しくなりだしたのです。そしてある時にボスとの話の中で実験の多くを私がしていることを全く知らされていなかったことが判明。かなり政治的な動きを感じて嫌だったのですが、事実をボスに告げた上で、そのプロジェクトの為に必要な実験をその人とも協力しながら黙々と続けていました。一番肝となるデータは私が中心に行った実験から出しており、そしてこの論文をブラシュアップするデータも私に託されているのですが、結果的にFigure(論文に載せる図表)の数としてはその人が多く貢献したであろうとボスに判断されてしまったのです。

でも、どうやらボスも私とその人の両方に「これはあなたの論文になるから」と言っていたみたいなのです。それで、先日、ボスに『今後は自分が本当に筆頭著者であるプロジェクト、そしてフェローシップに書いたプロジェクトに焦点をしぼらせて欲しい。』と申し出たところ、その人と自分の両方が関わってきたもう一つのプロジェクトのうちで、大きい方のというかボスが最重要、最優先と思っているテーマでラボの研究のメインの柱になるようなプロジェクト(これも実はフェローシップと関係ないのですが)のリーダーにされました・・・。

海のものとも山のものともわからないものをつかまされて、ごまかされたのか、比較的小さなプロジェクトにこれ以上私に関わらせずにより重要なプロジェクトを任せたいと思ってくれている期待の現れなのかはわかりませんが、学術的に意義深い研究であることは確かなのでボスの真意を知る必要はなさそうです。

このテーマは数人が関わるようなビッグプロジェクトなので、同じようなconflictが生じる可能性もありますが、任せられたからには頑張るしかありません。光栄といえば光栄な役割なので、本来は喜ぶべきところですが、そのラボメンバーはともかく、信頼していたボスに対する不信感が生じてしまったことが正直、ちょっとだけ痛く、なんとか回復させたいところです。

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コメント

kwadaさん
プロジェクトの開始のころに「彼がファーストのこのプロジェクトを私が手伝えばいいんですよね。」と確認したところ、「いや、これはあなたがファーストで彼に手伝わせればよい」と言われたので、自分の論文と思い行動していたのに・・・というのが、ことの顛末でした。
でも筆頭著者というのは最初に決めたからそれは外されないというものではなく、筆頭著者といわれるべき人はそのポジションを他の著者全員に納得させるような働きをして、それをみんなに分からせるということが大切であると教えられました。それが本命のプロジェクトではなくサブのテーマだったので、教訓を得る為に払った代価は最小限だったとも考えられますので、最小限で済んだと言えるようになるにはこれからの自分の行動にかかっていると思います。

投稿: hide-tan | 2008年6月23日 (月) 07時28分

hide-tan さん
あのときは本当に泣けた、、と大の男が泣いたということを何度かきいた経験があります。それはやはり、僕が筆頭であるはずの論文なのになんで、、という類いの話です。プロジェクトがスタートした時点でfirst を決定しておくべきというのが科学者の倫理のはずですが、曖昧な国日本ではともかく、かの米国でもまあまあな部分があることは悲しい現実です。これもまた、血のかよった人間の性かもしれませんね。hide-tanさん、すっきりさせるみちはただ一つ、あなた自身がボスになることです。
kwada

投稿: kwada | 2008年6月22日 (日) 23時49分

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