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2009年6月13日 (土)

抄読会:未熟児の脳が回復する仕組み

今日のG教授ラボでのジャーナルクラブ(抄読会)は私が担当でした。
抄読会とは、すでに世に出た論文で新しくて、(自分たちの研究に)意義深い論文をわかりやすく紹介し、それをもとに議論をする勉強会です。

今回紹介した論文はこちら

赤ちゃんが未熟児として生まれてくると、肺や心臓が未熟ということもあって、よく酸素不足に陥ったりすることがよくあります。この酸素不足の状態は、赤ちゃんの脳に悪影響を及ぼすことが知られていますが、なかには、赤ちゃんのときに、”将来発達が遅れたり、手足が不自由になる恐れがある”と思われていたお子さんが、思いのほか順調に発達し、ほっとすることもあります。

この論文は、そのようなリバーシブルな程度の軽度〜中等度の酸素不足の経過をたどった赤ちゃんの脳が回復していくために必要な分子をこれまでの研究成果から推定し、それが無ければそのようなケースでも回復しないということを証明したものです。ここでは、FGF-R1という受容体が大脳皮質の多くを占める興奮性ニューロンの再生に必須であるということを証明しました。

とてもよくできた論文で、いくつかの??はあったものの、抄読会の参加者(20名くらい)に満足してもらえたので、よかったです。(抄読会では、プレゼンそのものより、むしろ論文選びが非常に大事なのです)

この論文では、大脳皮質に加えてSVZやOBと呼ばれる神経再生が活発なところでの神経再生にもFGF-R1が大切だということを述べたものですが、同じく神経再生の活発な海馬という記憶中枢における影響はどうなのか、学習障害とのからみはどうなのか、また臨床の現場において、脳内(あるいは、脳脊髄液内)のFGFやFGF-R1の発現と神経の後遺症との関係はどうなのかといったことが疑問に残りました。

そして、このブログを読んでいる読者の方は、なんでhide-tan、無理してこんな記事を書いているんだろうと疑問が残っていることでしょう。

(写真:5年前にワシントンDCの空港で買ったIDカードホルダー。『ホワイトハウスで働いてたの!?』とまじめに聞いてくる初な人や、『それ欲しい!』と言ってくれる人や反応はさまざま。オバマ政権になって、こんなアイテムもさらに人気が出てくるかもしれません。)

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