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2009年12月22日 (火)

クリスマスメッセージ(1):イエス・キリストの系図

クリスマスメッセージ(1):イエス・キリストの系図

クリスマスはイエス・キリストの誕生をお祝いする日です。
新約聖書の最初のページは実は無味乾燥に思える系図からはじまっているのですが、これがなかなか味わい深い側面があるので、いっしょに見ていきましょう。

マタイの福音書1章1-17節

1 アブラハムの子孫、ダビデの子孫、イエス・キリストの系図。
2 アブラハムにイサクが生まれ、イサクにヤコブが生まれ、ヤコブにユダとその兄弟たちが生まれ、
3 ユダに、タマルによってパレスとザラが生まれ、パレスにエスロンが生まれ、エスロンにアラムが生まれ、
4 アラムにアミナダブが生まれ、アミナダブにナアソンが生まれ、ナアソンにサルモンが生まれ、
5 サルモンに、ラハブによってボアズが生まれ、ボアズに、ルツによってオベデが生まれ、オベデにエッサイが生まれ、
6 エッサイにダビデ王が生まれた。ダビデに、ウリヤの妻によってソロモンが生まれ、
7 ソロモンにレハブアムが生まれ、レハブアムにアビヤが生まれ、アビヤにアサが生まれた。
8 アサにヨサパテが生まれ、ヨサパテにヨラムが生まれ、ヨラムにウジヤが生まれ、
9 ウジヤにヨタムが生まれ、ヨタムにアハズが生まれ、アハズにヒゼキヤが生まれ、
10 ヒゼキヤにマナセが生まれ、マナセにアモンが生まれ、アモンにヨシヤが生まれ、
11 ヨシヤにバビロン移住のころエコニヤとその兄弟たちが生まれた。
12 バビロン移住の後、エコニヤにサラテルが生まれ、サラテルにゾロバベルが生まれ、
13 ゾロバベルにアビウデが生まれ、アビウデにエリヤキムが生まれ、エリヤキムにアゾルが生まれ、
14 アゾルにサドクが生まれ、サドクにアキムが生まれ、アキムにエリウデが生まれ、
15 エリウデにエレアザルが生まれ、エレアザルにマタンが生まれ、マタンにヤコブが生まれ、
16 ヤコブにマリヤの夫ヨセフが生まれた。キリストと呼ばれるイエスはこのマリヤからお生まれになった。
17 それで、アブラハムからダビデまでの代が全部で十四代、ダビデからバビロン移住までが十四代、バビロン移住からキリストまでが十四代になる。

(注:太字はhide-tanによる)

最初から最後まで飛ばさすに読んでいただけましたでしょうか?happy01

さて、マタイの福音書の記者マタイは、元取税人でした。取税人というのは、当時パレスチナ地方を統治していたローマ帝国の手先となって、税金を取り立てて、莫大な利益を得ていた人たちでみんなからの嫌われ者でした。そんなマタイはイエス・キリストに声をかけられて、その生き方をあらためて従ったのです。彼は自分をのけ者にしていた同胞のユダヤ人たちに福音を告げ知らせようと、ユダヤ人のなじみのある旧約聖書の預言を多く引用しながら、丁寧にキリストの生涯を記述しました。

そのマタイが、キリストの生涯を書くにあたって最初に記したのがイエス・キリストの系図でした。
それには、このナザレ人イエスこそが、来るべきメシヤ(救い主)とされていたお方であるということを示すためでした。


さて、イエス・キリストの系図を見ていきましょう。
これは、ふたつの福音書に記されていて、

マタイによる系図:ヨセフの家系(合法的な子孫)
ルカによる系図:マリアの家系(生物学的な子孫)

というように、イエスが法的にも血統的にもアブラハムの子孫、ダビデの血筋ということが証明されています。これは、イエスがメシヤであるということをサポートするひとつの要点になっています。

さて、マタイの福音書では、アブラハムからだけですが、ルカの福音書ではアダムまでさかのぼって書かれています。すごいことです。イエスの家系というのは、4000年にわたって保たれて来た家系なのです。日本の天皇の家系が2600年前までということも(いろいろ説はあるようですが)世界的に見てもすごいことではあるのですが、なんといっても4000年です!

まとめると、
アダム----2000年----アブラハム--1000年(14代)--ダビデ王--400年(14代)--バビロン捕囚--600年(14代)--イエス・キリスト

ということになります。人類の父祖アダムからユダヤ人の父祖アブラハムまでが2000年、そしてアブラハムからユダヤ人の王、イエス・キリストまでが2000年でした。

イエスの誕生は、ヨセフとマリヤにとっては予期せぬできごとでしたが、神によって正確に計画されていたことでした。(ダニエル9:25-26)

さて、イエスの系図が書かれた目的は主に次のふたつです。

(1) イエスがアブラハムの子孫であるということ
それは、イエスがユダヤ人であることの証明です。ユダヤ人とは、アブラハム→イサク→ヤコブの子孫のことを言います。なぜわざわざそういうのかというと、アブラハムには奴隷の子どもがいて、彼は今のパレスチナ人の父祖となったからです。(今のパレスチナ問題は遠くそこに端を発するのです)
そして、それは、神がアブラハムへの契約の成就(創世記22:18)を意味します。

「あなたの子孫によって、地のすべての国々は祝福を受けるようになる。(創世記22:18)」

ここでの子孫 "The Seed of Abraham"は単数系で、キリストのことを指しています。
このキリストから、ユダヤ人だけでなく、すべての国々(の人々)が祝福されると預言されているのです。キリストの誕生は、わたしたちへの祝福の約束の成就なのです。

(2) ダビデの王家の血筋であること
ユダヤ人にとって、王と言えばダビデ王であり、神がダビデに告げた契約の成就(2サムエル7:12-13)を待ち望んでいました。

あなたの日数が満ち、あなたがあなたの先祖たちとともに眠るとき、わたしは、あなたの身から出る世継ぎの子を、あなたのあとに起こし、彼の王国を確立させる。 彼はわたしの名のために一つの家を建て、わたしはその王国の王座をとこしえまでも堅く立てる。 (2サムエル7:12-13)

救い主がダビデの子孫であるということ、「ダビデの子」と呼ばれることはユダヤ人にとってはよく知られていたことでした。キリストの到来は、すなわち、永遠の王国という約束の成就だったのです。
そして、今もイエスは何十億という人々の心にその領地を広げ続けています。

イエス・キリストの家系に登場する5人の女性

マタイは、この家系図にかなりの覚悟と、熱い思いをもって5人の女性の名前を加えています。
(系図の太字を参照)

① タマル:売春婦となって義父の子を妊娠→神に選ばれた家系を次ぐことへの執着心があった。
② ラハブ:遊女(ヨシュア2:1, ヘブル11:31)→まだ見ぬ神への信仰によって、身の危険を冒しても敵であるユダヤ人を助けた。
③ ルツ:異邦人(ルツ記)→亡き夫の母に仕え、神に仕えた。
④ ウリヤの妻(バテ・シェバ):ダビデ王が姦淫と殺人によって得た妻(2サムエル11-12章)→ダビデ王は神の前にひれ伏してゆるしを乞うた。
⑤ マリヤ:結婚前、公にはできない妊娠。

聖書が、単に自分たちの宗教を守る為に書かれたものならば、イエス・キリストの系図に「傷がつく」ようなこのような人々の名前を入れないはずです。しかし、聖書はそのようにある宗教家たちの都合にあわせて書かれたものではなく、人間にとって都合の悪いことを含めることで、真実をありのままで書き記すことで、罪のある人間に対して神がどのように救いの手を差し伸ばしてくださっているのかを語っています。また、そのような内容が、聖書は勝者の為の歴史書ではなく、神が人々を通じて書かれた真実の神のことばと言えるものにしているのです。
これらの人々がイエスの家系に名を連ねるという光栄に預かっているということは、私たちが神に立ち返る時あるいは信じ続けた時に、神は私たちの人生のマイナスをプラスに変えてくださるということを表しています。

また、ここに外国人の名前が入っていることも意味があります。

救いはユダヤ人から出るのですが、ユダヤ人だけのものではないのです。ユダヤ人以外の女性がイエスの家系に連なることで、ユダヤ人に救い主が与えられたのです。救いは、ユダヤ人たちだけのものであるとは主張できないのです。

キリストの系図。そこには、神の確かな約束の成就。つまり神は約束を成就してくださるお方であるということ、そして、神は罪のある人々の名に連なってくださる、わたしたちが今どのような者であっても、神に立ち返るならば、イエス・キリストにあって栄誉ある役割を与えてくださるのだというメッセージが熱く語られているのです。

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