« サプライズ、バイスタBDパーティ | トップページ | ”信じるだけで救われる”でなければならない理由。  »

2011年6月 8日 (水)

はじめの72時間:東北大病院からの報告

震災からもう3ヶ月になりました。

報道を見ている限りでは、まだ避難所生活をしておられる方々がたくさんおられ、行方不明の方々も多くおられ、まだがれきもたくさん残っている状況で、心が傷みます。

今日は東北大学救命救急センターの医師のNさんがスタンフォードに来ていて、震災後の72時間のできごとと問題点、今後の課題などを詳しく説明してくれました。災害に対して備えておかねばならないこと、いろいろ学ばされました。

(なぜ72時間か)災害は毎回違った顔を持ってやってくる。そこを想定する困難さ。72時間は救命のためのクリティカルピリオドであるだけでなく、医療のニーズがピークになる時期であること、そして非常用のリソースが尽きるのが72時間であること。

(1日目)クロノロジー(経時的な記録)の重要性。迅速な災害対策本部の立ち上げ。非常電源、空調(コンピュータに必要)、院内PHSの許容限界(トランシーバーの利用)、人的リソースの配分、酸素ボンベや吸引の確保、エレベーターが使えないことによる搬送の困難さ、漏水の被害

(2日目)医学生ボランティアの活躍、人的スキームの稼働、DMAT到着。在宅患者をできるだけ来院させずにおくには。重症患者は安定させたらできるだけ他の地域の医療機関へと搬送することで院内のリソースを確保。手術、検査、透析などの中止や部分稼働、職員の食料確保、ニーズとサプライ。

(3、4日目)大型バスによる患者の移送、様々なものが復旧、精神科救急のニーズの増加。(その他の課題)超法規的な対応を可能にする特例措置の必要性、自衛隊や警察との連携(とくに患者移送や情報網の利用において)、医療機関だけでなく地域のリソースを利用すること。

以上が簡単なサマリーですが、最も感じたのは、ちょっとした避難訓練ではなく、なにも使えなくなった状態で患者の生命を維持し、情報を収集伝達し、指揮系統を明確にし、エレベータを使わない患者搬送、など本気の災害対応訓練が必要だと思わされました。訓練は練習のためというよりはむしろ、なにが不自由するか、人的なこと、設備のこと、物品のことなどでなにが足りていないか、なにがあればよいかを明らかにするために必要なことではないかと思いました。現場の訓練だけでなく、対策本部がどのように情報を把握し指揮をとり、外部と連絡をとるかということの訓練も必要だと思いました。

また日赤病院や、徳洲会病院のように同じ系列で連携をとるところは動きが早い印象を持ちました。
また報道では自治体どうしの支援が素早く、自治体病院のほうが国立大学病院よりも対応が早かったようです。独立法人化した大学ですから、地域でよく似た働きを担っている大学病院が連携して素早く連携をとれるような体制があればよいとか、被災地になった立場、被災地を支援する立場の両方からいろいろ考えさせられました。

また、海外からの支援や応援メッセージは被災地の方々を大いに励ましているという報告もありました。私たちがスタンフォード大学で行ってきたことや、Peninsula Bible Churchでやってきたチャリティイベントも支援とともに祈りが届けられればと思いました。


|

« サプライズ、バイスタBDパーティ | トップページ | ”信じるだけで救われる”でなければならない理由。  »

医療」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« サプライズ、バイスタBDパーティ | トップページ | ”信じるだけで救われる”でなければならない理由。  »